飼い犬の椎間板ヘルニア

ミニチュアダックスの黒毛玉。7歳を目前にして椎間板ヘルニアデビュー。
ミニチュアダックスは椎間板ヘルニアになりやすい犬種なので、いつかはなると覚悟していたけれど、実際になってみると全く準備ができていない。
今後もお付き合いしていかなければならない病気なので、記録を残します。
(10/8 時点でまだ追記予定ありです)

 

◆椎間板ヘルニアとは?
 

まず「ヘルニア」とは、身体の中の一部があるべき場所から出てきてしまった状態のこと。脱腸であれば鼠経ヘルニア、おへそが飛び出しているなら臍ヘルニア、椎間板の中の髄核が出てしまった状態が椎間板ヘルニア。他にも様々あるようです。
そして、ミニチュアダックスが発症しやすいのは椎間板ヘルニア。
背骨の骨と骨の隙間にある椎間板から髄核が飛び出して、背骨の中を通っている神経を圧迫してしまう病気です。神経の伝達が不十分になるので、足が動かなくなったり、酷くなるとトイレのコントロールもできなくなってしまいます。

 

◆症状(こんな風に発覚しました)
 

我が家の黒毛玉は、散歩帰りに外で座り込み、暫く立てずに困惑していました。いつもは無理に抱っこをしたら怒るのに唸ることもなく、毛玉自身、自分の身体に異変を感じて不安だったようです。なので、すぐに病院へ連れて行きました。
でも、よくよく思い返してみると、マーキング時にふらついたり、時々転ぶこともあったので、兆候としてはもっと前からあったのかもしれません。結果論ですが、もっと気を付けてあげればよかったと思います。

調べてみると、椎間板ヘルニアには5段階のグレードがあるそうです。

  • グレード1・・・患部の痛みだけある。
  • グレード2・・・軽度の麻痺でふらつく。
  • グレード3・・・麻痺のため起立困難。
  • グレード4・・・排尿のコントロールができなくなる。
  • グレード5・・・痛覚もなくなる。

黒毛玉の発覚時はグレード2だったと思われます。左足だけ時々引きずり、短い脚をクロスしてはふらつき、絡まりそうな状態になっていました。素人目に見ても「おかしい」と思える状態。立たせた状態で足先を曲げても、全く気付かないように動かしません。
調子の良い時は普通に歩くので治ったかのように誤解してしまいますが要注意です。

投薬治療をしていましたが、あっという間にグレード3へ移行してしまいました。

前の晩には変わらない症状だったのに、翌朝には左足どころか右足も動きません。
症状としてはこんな感じでした。

・下半身に力が入らないせいか、お座りをしたまま後ろへ滑って行ってしまう。(立とうとしてる?)
・エアコンが効いていてるのに息が荒い。(痛みを我慢しているのか、座る体制だけでも体力を使うのかもしれません)
・訴えるように目を潤ませて鳴いている。

息の荒さは痛みかも? ただ、全身撫でても怒らないので、触ったら痛いというわけでもなさそう。背もたれを作って横になるよう導くと落ち着くので、座った状態が辛いのに、足が動かないから横になれなかったのかもしれない。足が動かないから掻きたいところを掻けないのも辛いのかもしれない。
うるんだ目で悲しげに訴えてくるので、噛まれるのを覚悟で頭を掻いてやっては落ち着かせ、横にして眠らせました。需要に合っていたのか噛まれることもなく、目を閉じて呼吸も落ち着くのですが、暫くするとなぜかお座り状態で助けを求めるように鳴いていました。
この状態は丸一日。夜中もずっと同じ調子だったので、飼い主も寝不足です。
翌日、CT等で検査をして、椎間板が一個飛び出していることを確認。飛び出している部分は神経を6割押しているとのことで、手術を勧められました。
圧迫が軽い場合は投薬で治まることもあるようなので、おかしいなと思ったら早めの受診がお勧めです。

ただ、検査をしただけなのに、足は動かない状態でも元気が出たようです。前足だけで走り回ろうとしている。。。犬も病院に行くと治った気になるのかもしれない。
でも、安静にしてくれないと困ります。

 

◆治療について
 

グレード2と思われる症状の発覚時、病院ではステロイド薬と痛み止めを処方されました。詳しい検査にはCTやMRIが必要となりますが、麻酔をするためリスクと費用が掛かります。なので、多くの人はまず薬で様子を見るそう。
ステロイド薬は良くなったからと途中でやめず、徐々に減らしていくものだそうです。
私と主人は二人して聞き逃したのか忘れてしまったのか、風邪薬と同じように処方された分を飲ませればいいのだと思い込み、なくなったところでやめてしまったので、あれが悪化の原因の一つだったのかもしれません。
半月ほどで2度目の症状が出て、同じように投薬を開始して3日目に悪化しました。

そのまま投薬で治る場合もあるようですが、実際に不具合のある椎間板が戻るわけではありません。6割飛び出ている状態であれば治る可能性は低く、再発の可能性も高いので、早いうちに手術をすることを勧められました。

手術は背骨の一部に穴を開けて、飛び出ている椎間板物質を取り除く内容となりました。
図で説明された時はぴょこんと飛び出ているものをぴっと引き抜くイメージでしたが、実際の椎間板物質はもろく、摘まむとぽろぽろ崩れ落ちてしまうもので、細かく刻んだ軟骨のようなものを一つずつ取り除いていく作業はとても大変だったと思います。
穴を開けた骨は元に戻りませんが、筋肉などで補強されていくそうです。

手術自体は4時間ほど。夜、結果を聞きに行きました。その時は麻酔がやや残ったようでしたが、ぐったりはしておらず元気そう。1週間ほど入院です。
背中は長方形に毛刈りされていました。黒毛の部分は肌も黒いんですね。

手術をしても状況によっては後遺症が残ったり、再発したり、関連した病気になる可能性もあるとのことでしたが、治る確率の方が高いようなので、普通に歩けるようになることを期待しています。

 

◆費用について
 

費用については病院に寄りますが、黒毛玉の場合は下記の通りとなりました。

投薬(10日分) 3,300円
CT・MRI検査 177,958円
丸一日排尿できず受診 3,080円
手術費 304,260円
入院費(1週間) 113,586円
通院費(術後1週間毎日) 8,470円×5日+10,120円+10,879円
通院費(1週間後) 6,039円
通院費(最終日・抜糸) 6,600円

総額678,172円。。。

自動車学校に2人通わせられますよ。専門学校の学費半年分以上ですよ。

ペット保険、入っていてよかったです。491,228円が戻ってきました。

でも、保険以外にペット貯蓄も必要だと痛感しています。

 

◆ペット保険について
 

黒毛玉は現在、ペット&ファミリー損害保険株式会社「げんきナンバーわんスリム プラン80」に入っています。
※公式ページではプラン70とプラン50のみとなっているので、プラン80に入るには代理店から申し込む必要があります。(加入時に使用した代理店→保険スクエアbang!/ペット保険資料一括請求

げんきナンバーわんスリム プラン80」の補償は、下記のような内容になります。(2021.8.22現在)

補償割合 80% 認定額の80%を補償
1日の免責額 3000円  
年間支払い限度額 80万円 手術・入院・通院合算
請求 病院精算後 病院では一旦全額支払う必要あり

これ、すごくいいよ! とまでは言い切れません。何故なら、病院での精算時に自己負担分のみの支払いで良かったり、1日の免責額のない保険もあるからです。
ただ、そういった条件が全てクリアされている保険は、それなりに月々の支払いが高かったり、限度額が低かったり、限度額が手術・入院・通院で分かれていたりもします。

ペットが高齢になるほど支払額も病気の確率も上がります。もちろん飼い主も高齢化していくので、将来的にあまり高くなると支払えなくなるかもしれません。
病気をすると乗り換えが難しくなるので、まずは最終的な月々の支払額を考えました。高くなっても月々の支払いは5000円以内。そして、手術に特化した保険。

そう、我が家は主に手術費を補いたかった。

保険に入る前に、黒毛玉は異物による腸閉塞の手術で51万ほどかかっています。
かなり痛い出費でした。息子の進学用に貯めていた学費の一部で支払い、保険に入っていないから、1円も戻って来ません。
もし入っていたら、7日間の入院なので、
(510,000円-3,000円×7日)×80%=391,200円は返ってきていたはず!
当時2歳だったので、2歳~10歳まで保険料を払い続けていたとしても支払総額は354,770円ですし。本当、早く入って置けばよかった!
何もない年は支払うだけになりますが、ミニチュアダックスは周りに聞いてもほぼ椎間板ヘルニアを患う犬種のようなので、備えて置いて損はないと思います。

前回肛門腺破裂で2日病院通いしたときは、
1日目5400円
2日目540円
だったので、2日目分は免責で支払いはなく、1日目分は(5400円ー3000円)×80%=1,920円が20日以内に支払われました。

そして今回の請求分。2回に分けて請求をしました。

初回の診察から手術費までの合計金額が492,558円で379,078円の支払い、入院から退院後の通院までの合計金額が189,574円で112,150円の支払いで、合計678,172円かかったところ、491,228円(学費半年分!)が戻ってきました。186,944円が自費です。

  支払額 対象外 認定額 確定保険額
通院費 3,300円   300円 240円
検査費 177,958円   174,958円 139,966円
通院費 3,080円   80円 64円
手術費 304,260円 2,750円
(免疫療法)
298,510円 238,808円
入院7日 113,586円 506円
(処方食)
92,080円 73,664円
通院費 8,470円   5,470円 4,376円
通院費 8,470円   5,470円 4,376円
通院費 8,470円   5,470円 4,376円
通院費 8,470円   5,470円 4,376円
通院費 8,470円   5,470円 4,376円
通院費 10,120円   7,120円 5,696円
通院費 10,879円   7,879円 6,303円
通院費 6,039円   3,039円 2,431円
通院費 6,600円 880円
(爪切り)
2,720円 2,176円

1日3,000円免責で80%補償の保険に入っているので、各日免責額3,000円と対象外の費用を除いた後の請求額の80%が戻ります。入院7日の場合は7日×3,000円が差し引かれます。
※手術時に使用されたインターフェロン(免疫療法2,750円)と退院後の処方食と爪切り代が対象外項目になっていました。

げんきナンバーわんスリム プラン80」は、10歳以上の支払額は変わらず、今年の資料では10歳以上7.2kg以下の小型犬の年払いが44,370円。月額3,910円。これは申し込みをした当初2017年から変わらない価格です。
※再度となりますが、プラン80に入るには代理店から申し込む必要があります。(加入時に使用した代理店→保険スクエアbang!/ペット保険資料一括請求

請求の方法はオフィシャルサイトのマイページから「保険金請求書兼同意書」を印刷して必要事項を記入して郵送します。(切手不要の着払いの宛名付き。封筒のみ準備)
※プリンターがない場合は書類を郵送してもらうこともできます。

請求には診療費明細書が必要になるので、病院で精算したら忘れずに貰ってください。
金額だけの領収書では通りません。

 

◆退院後の様子
 

退院後は1週間、毎日通院をして注射での投薬がありました。
散歩は禁止。ベランダは抱っこで外を見せるだけです。夜だけケージに閉じ込めて、昼間はリビングのみ自由空間にしていました。(我が家はソファーはありません)
後ろ足のふらつきはまだありましたが、やけによく歩き回ります。走らないように、いつも咥えて走るおもちゃは片付けて、廊下に出るのも禁止にしました。
主人の帰宅時に飛び跳ねるので、車の音が聞こえたら暴れ防止に抱っこしてお迎えです。

手術後1か月で抜糸となりましたが、抜糸3日後までエリザベスカラーはつけっぱなし。エリザベスカラーが外れてから、ベランダの自由行動と散歩を再開しました。マーキング時にまだちょっと後ろ足がふらつきます。

手術のために剃った背中の毛は、2か月を前にしてようやく皮膚を隠す感じになってきました。なぜだかガーゼで覆っていた中心部の方が毛が生えてきている感じで、縞模様になっています。うりぼう?

退院後の食欲が増大していましたが、すぐに落ち着いて、今はいつも通りの好き嫌い男になり果てています。

顔周りを触りまくっても怒らなくなったことと、冷え性だったのに、小動物らしく身体が温かくなりました。

 

◆困ったこと
 

・後ろ足を引きずっているので、トイレに補助が必要。
・後ろ足に力が入らないので、いつも通りの抱っこができない。
・抜糸までの間、仰向け禁止だけど気が付くと床に背中をこすりつけようとすることがあるので注意。
・エリザベスを付けているので顔が掻けないのでブラッシングを増やす。(顔を触っても怒らなくなったのは良かった)
・エリザベスを付けているのでドッグフードの器に覆いかぶさって食べにくそう。ちょっと手助けが必要。
・通院時、異様に喜びすぎ。他の犬は静かなのに。。。今持っているケージはエリザベスが入らないので、大きなケージが必要? でもそんなに使わない。折り畳みがいる?
・クレジットカード払いにしたので、初めて限度額オーバーを体験。引き落とし日が待ち遠しかったです。しかし、引き落とされるのは前月の使用分だから、翌月も利用可能額が低いまま。複数のカードを持っておいてよかったです。

 

◆今後の対策
 

手術をしたからと言っ。、今後はもう椎間板ヘルニアを患わない、というわけではありあません。なので、確実には防げなくてもこれはダメと言われていることを徹底します。

・段差注意。
 →寝室のマットには上がらせない。(マットの処分を検討中)
 →散歩中、縁石には近寄らせない。
・室内の滑り止め。
 →廊下にカーペットを敷きました。
・仰向け抱っこの禁止。

喜びのポーズ(二足立ちでぴょんぴょん)をどうするか思案中。。。

 

 

 

 

 

 

・以下、記録

7/16 散歩帰りに座り込んで動かない。炎症を抑える薬を処方してもらう。良くなったと思って通院をしなかったが、薬は続けるべきだった。

8/10 足元がふらつく。再度受診。同じ薬を処方。ステロイドと痛み止め。

8/12 悪化。後ろ足2本とも麻痺。痛みで甘え続ける。真横になると楽?お座りすると、下半身の力が入らないので後ろに滑っていく。

8/13 CT/MRI検査。麻酔をするのでちょっと心配。当日の薬は止める。朝から絶食。水は良い。

8/14 元気だけどおしっこがでない?水を飲まないからかもしれない。24時間以上出ないのは危ないから、夕方に病院へ。足は動かないけど元気ありすぎ。いつもの抱き方ができない。抱っこの仕方を変えると噛もうとする。

8/15 元気は戻ったのにおしっこをする気配がない。夕方、外へ連れて行って何とか出た。

8/16 いきなり水を飲みだし室内トイレ。夕方、うんちも少し。親指の先程度。

8/17 手術の日。昨晩9時から絶食。手術は飛び出ている部分を抜く、と聞いていたので、細長い何かが引き抜かれるのかと思っていたら、取られたのは細かい軟骨のようなポロポロした物質。摘むとポロポロ取れるので、少しずつ取り除いたようです。これから一週間入院です。保険金請求。

8/20 お見舞い。先生に抱っこされたままでもぴちぴち動くので、早々に退散。元気そう。心配されていた数パーセントの脊髄軟化症は心配なさそう。

8/24 退院。長方形に剃られた背中にガーゼを一枚貼って帰宅。腸閉塞の時より体重もあって元気そう。これから一週間、注射を受けに通います。毎日。一週間が終わったら投薬に変更。抜糸まで1か月くらい? まだまだ先は長い。行動範囲はリビングだけに制限。寝るときはケージへ。食欲が異常なほどあってお代わりしたいようだけど、急に食べさせ過ぎると吐くと聞いたので制限。

8/25 病院が異様に好きすぎる? 興奮しすぎて抱っこが辛い。ということは、入院時の待遇が良かったに違いない。保険会社より請求書受領のメールあり。

8/27 保険会社より書類不備の連絡あり。3000円未満の支払い分は免責だからと思って、診療内容の書いていないレシートをそのまま入れたのがいけなかったと思う。診療内容は必須。手術費支払いのおかげでクレジットカードの限度額オーバーを初体験。

8/31 毎日の注射通院は終了。薬に切り替わる。フィラリアの薬はいつも通りでOK。

9/7 傷口の治療と内服薬追加。

9/14 抜糸。ビタミン剤の処方と通院終了。

9/17 エリザベス卒業。早速転がって喜んでいる? いつもの首輪は素直に付ける。保険金請求。

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